相続人の方の中に認知症の方がいる場合

ご相談時の状況

お父様がお亡くなりになり、お母様とお子様が相続人である状況でお子様からご相談をいただきました。相続人の中でお母様が認知症になってしまっているが、長男の方の名義に相続登記をすることをすることはできないか、とのご相談でした。

ご提案内容

相続財産を誰のものにするかを決めるためには相続人全員が合意をする必要がありますが、認知症の方がいるとその話し合いをすることができないとご説明しました。このような場合には成年後見人などの申し立てをし、認知症の方の代わりに話し合いをしてくれる人を選んでもらってはどうですか、とアドバイスをしました。

最終的には

ご依頼者は後見人を選任することまではお考えではなかったので、そこまでして相続登記を進めるつもりはないとのお答えでした。
結局、その事案についてはご相談のみで終了になってしまい登記を申請するには至りませんでした。

登記は書類審査ですので、認知症の方がいらっしゃっても書類さえそろえば登記をすることは可能です。
しかし、無理に手続きを進めてしまうと将来的に話し合いが無効とされてしまう可能性があります。そうなってしまうとかえってご依頼者様にも大変なご迷惑になってしまいますので、すべての場面いおいて強引に手続を進めることが必ずしもプラスにならないのではないかと考えています。