遺産分割協議書は相続人全員が集まって署名や押印をしなければならないのでしょうか?
遺産分割協議書への署名や押印はいわゆる持ち回りでも大丈夫です
遺産分割協議書へは相続人全員が署名・押印(実印)をしなければなりません。遺産分割協議書へ相続人全員が連名で署名・押印をするのがポピュラーです。相続人が同居している場合は同じ卓で署名・押印をスムーズにすることができますが、別の場所に住んでいると集まるのはなかなか難しいですよね。遺産分割協議書への署名・捺印方法をご説明します。
遺産分割方法の署名・捺印方法
①相続人全員が同じ場所に集まって同時に署名・押印をする
この方法が最もシンプルです。皆さんが顔を合わせ、遺産分割の内容について確認をしたうえで署名・押印をして遺産分割協議を完成させます。
➁相続人が持ち回りで署名・押印をする
相続人の一人が署名・押印をしたのち、その遺産分割協議書を別の相続人に郵送をして署名・押印をする方法で遺産分割協議書を関せさせる方法も有効とされています。相続人が独立をして実家に住んでいないケースもよくありますので、この方法をとられるご相談者も多いですね。この場合、遺産分割内容については事前に相続人全員が内容を熟知した上でしっかりと話合・合意をしておきましょう。
③同じ内容の遺産分割協議書を複数作成し、各相続人が署名・押印をする
上記の文例のように遺産分割協議書へ持ち回りで署名・押印することも可能ですが、相続人が10人以上いたり、海外に住んでいたりした場合、持ち回りの方法であっても相続人全員の署名・捺印をもらうことは大変です。
このような場合、同一内容の遺産分割協議の内容を示した書類を複数枚作成し、各相続人が一人につき1枚署名・押印をするという方法があります。相続人が1枚ずつ署名・押印をし、全員分が揃えば相続登記に使用することができるとされています。この形式を特に「遺産分割協議証明書」といいます。
もちろん、書類作成前には遺産分割内容について相続人全員が内容を熟知した上で話し合いをし、内容を合意しておくことが必要になります。
実際に弊所で行ったケースとしては、相続人の人数が多くそのうちの一人がアメリカに住んでいるため持ち回りをすることも難しかった場合に、相続人1人一枚の「遺産分割協議証明書」の形式で登記手続きを進めたこともございます。
なお、法務局は上記の方法でも登記をすることができるとされていますが、金融機関や証券会社の様な他の機関ではその金融機関特有の方法を求められる場合もございます。詳しくは各金融機関へお問い合わせください。