依頼者

足腰が悪くて公証役場へ行けないのですが、公正証書遺言は作れないのでしょうか?

柏市の相続司法書士 永田

公証人にご自宅や病院、施設などに出張してもらうことで公証役場でも遺言を作成できますのでご安心ください。その場合には公証人に追加の出張費を支払う必要があります。

遺言者が公証役場へ行けない場合には、公証人に出張をしてもらうことで公正証書遺言を作成できます。入院や施設にいて外出できない場合などにも利用されます。

なお、認知症で施設に入っている等、判断能力がない方の場合には出張をしてもらっても公正証書遺言を作ることはできませんのでご注意ください。

※コロナ禍においては、公証人が施設の中に入ることができないことがあります。この場合、「短時間でも施設に入れないか」など、施設の管理者と打ち合わせが必要になります。

公証人に自宅へ出張をしてもらい公正証書遺言を作成する場合の1日を司法書士が体験した内容をもとにご案内します。

自宅で公正証書遺言を作成する流れ

ご依頼時にご準備いただくもの

  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 公証役場に支払う現金

依頼者

10時に司法書士の先生が、10時30分に公証人の先生が自宅へ来るんだよね。司法書士の先生からは、当日は簡単に済むと言われているけど、実際には何をするのだろう?必要書類を準備して待とう。

司法書士と事務所スタッフがご自宅へ訪問

柏市の相続司法書士 永田

今日の流れをご説明します。公証人がいらっしゃったら、準備されている書類を公証人が読み上げます。それを聞いて、簡単な質問に答えていただければ終わりです。すでに、不動産については誰が引き継ぐのか、金融資産はどうするか等の難しい打ち合わせは終わっていますのでご安心ください。時間はだいたい30分くらいです。

依頼者

簡単そうで安心しました。私は何か書く必要はあるのでしょうか?

柏市の相続司法書士 永田

すでに公証人がパソコンで公正証書遺言の文章を作成していますので、遺言者が書くのはご自身のお名前だけです。

公証人がご自宅へ訪問

公証人

公証人の○○です。本日は宜しくお願いします。所要時間は約30分くらいです。もしもわからないことがあればお気軽にご質問ください。どういった財産をお持ちか、誰に相続をさせるかは司法書士の永田先生とすでに打ち合わせをしていますので、今日は文章を聞いてもらえれば大丈夫ですよ。私が文章を読み上げている間はご家族などの利害関係がある方は同じ部屋に入れません。身内の方は別の部屋でお待ちください。

遺言書の概要・疑問点の有無を確認

公証人

最初に、あなたが遺言者に間違いないですか?印鑑証明書を拝見します。確かに、遺言者様本人で間違いないですね。配偶者のお名前とお子様のお名前は○○でよろしいですか。不動産は配偶者に、金融資産はお子様に相続させるということでよろしいでしょうか。

依頼者

それで間違いないです。

公証人が遺言書全文を読み上げる(約15分)

公証人

では、私が遺言書を読み上げますので間違いがないかを確認してください。<本公証人は、遺言者○○の嘱託により、…(中略)第三者にその任務を行わせることができる。>以上が遺言の内容です。お間違いはありませんか?

依頼者

間違いないです。大丈夫です。

遺言者は実印、証人2名は認印をそれぞれ原本に押す

公証人

この内容で遺言書を作成しますね。後ろのページに遺言者と証人にはご署名・ご捺印をしていただきます。遺言者はご実印を、証人は認印を押してください

公証人が内容を確認し、遺言書を2通受け取る

公証人

これで公正証書遺言は完成です。正本と謄本という2通の遺言書をお渡ししますね。遺言者がお亡くなりになった後は、この遺言書を使って手続きをしてください。2通の遺言書は大切に保管してください。1通は遺言者本人が、もう1通は遺言執行者の方が保管することが多いです。もしこの遺言書を紛失した場合は、公証役場にお問い合わせください。

依頼者

ありがとうございます。

※料金の支払い。お釣りがないようにご用意ください。

解散

柏市の相続司法書士 永田

これで遺言書の作成は終了です。お疲れ様でした。

依頼者

今日はありがとうございました。

※上記は実際に司法書士が体験した1日をもとに編集いたしました。公証役場や公証人によって具体的な流れは異なってきますので、詳細についてはお問い合わせください。